トレンドは“米国以外”?話題の「ABUSA」に乗っかるべきかについて解説

投資

こんにちは、MeGです!

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今回は、最近よく耳にする新たな投資トレンドABUSAについてです。

今年に入ってからというもの、米国株のパフォーマンスが振るわないな~、と思っている方も多いかもしれません。

きっかけはトランプ政権の発足と、関税政策による世界の物流不安。

今年4月には、世界各国に対する一方的かつ大規模な関税発動により、米国株だけでなく米国債券、米ドルすべてが売られる「トリプル安」という現象も起きました。

いわゆる“米国売り”というやつです。

反対に欧州や新興国、金などの一部コモディティが米国をアウトパフォームしているという現実。

そんな中、かつて「BRIC」や「FANG」などの造語を考えたブローカーは、この新たなトレンドを

ABUSA~Anyware But USA(米国以外ならどこでも)~

と名付けました。

そこで気になるのは、新NISAが始まってから、私たち日本の投資家の多くはS&P500などの米国株を中心に長期投資を行っているということ。

この「ABUSA」の台頭で、

え…米国株だけに投資していては危ないってこと?

「ABUSA」のトレンドはいつまで続くの?

と不安な気持ちを抱いている人も多いのではないでしょうか。

今回は、この「ABUSA」についての詳細と、このトレンドに乗っかるべきか否か?についてわかりやすく解説していきます。

筆者個人の見解も大いに含んでいますが、とくに現在米国株だけに投資している方には必見の内容となっていますので、最後までお読みいただけると幸いです。

 

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グローバル分散投資の新潮流「ABUSA」とは?

“米国離れ”が生んだ国際分散投資の新トレンド

まずこの「Anyware but USA(米国以外ならどこでも)」というワード自体が思いっきり皮肉めいていて面白いですよね。笑

関税政策に振り回され、疲弊した投資家たちの怒りや苛立ちが込められている感じがします。

ただこの「米国離れ」、きっかけこそトランプ関税ではあるものの、以下の理由などからほぼほぼ既定路線だったのでは?との声も。

 

1.これまでのGAFAMを始めとする米国株への一極集中型トレンドは、本来の株式の「10年サイクル」をとっくに超えている

「10年サイクル」とは?

株式市場におけるトレンドは約10年で入れ替わる、という考え方。過去データでも「新興国サイクル」のように特定のセクターや資産クラスが特定の10年周期において成長、あるいは現象する傾向が見られる。ただし市場は他の多くの要因によっても影響を受けるため、必ずしもこのサイクル通りに動く訳ではなく、投資判断は慎重に行う必要がある。

2010年代以降、米国株が人気化してから、すでにかなりの年月が経っています。

そのためこの「10年サイクル」に当てはめると、いつトレンド転換してもおかしくない状況にあると言えます。

 

2.他のアセットに比べて米国株は割高である

2025.6.24現在のPER(株価収益率)を比較してみると、VOO(S&P500)がいかに割高かが分かります。

VOO(S&P500)…26.26倍
VXUS(米国以外)…16.08倍
VWO(新興国)…15.43倍

(yahoo!financeより)

もちろんPERだけで本当の意味で割高か割安かの判断をすることはできません。

成長への期待が大きければ、PER20倍を超えていてもまだまだ上昇が続く可能性はあります。

ただ今後の上昇への期待値を考えた場合に、投資資金は割高なものより割安なものへ流れやすい傾向があるのは事実。

現に関税政策の影響で、2025年3月26日までの1週間だけで米国株式ファンドから約202億ドル(およそ3兆円)もの資金が流出したとも言われています。

米国以外”に資金を振り向ける投資家が増えてきているということですね。

 

3.2020年以降、米国周りでは不安要素が山積み…

・インフレ
・金利上昇
・債務問題
・地政学リスク etc.

せっかく収まってきたアメリカのインフレも、関税政策により再燃リスクが高まっています。

“米国離れ”により米国債が売られたことで金利も上昇し、債務問題がさらに深刻化する恐れも出てきました。

 

このように、米国株がパンパンに買われ過ぎ&リスク過多になっていたところに、満を持して登場したのがトランプ大統領だった訳です。

関税政策などによる“アメリカ離れ”を引き起こし、米国株への過熱感をいったん落ち着かせ、新たなトレンドへ引き継ぐ役目を担っているとも捉えられますね。

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ある意味、米国の抱えるストレスを“ガス抜き”するために表れたのがトランプだったのかも。

 

「ABUSA」で注目される新たな投資先は?

では“米国以外”の投資先として新たに資金が向かっているのはどこなのでしょうか。

以下は、S&P500と他のいくつかのアセットとの年初来比較チャートです。

 

今年に入ってからS&P500はほぼ横ばいに推移する一方で、VXUS(米国を除く全世界)を始め、欧州を代表するドイツのDAXや、インフレに強い資産としても注目される金(GLDM)など、どれもS&P500を大きくアウトパフォームしているのが見てとれます。

こうして比べてみると、思った以上に米国のヨコヨコっぷりが凄い…。

上記以外にも「ABUSA」で注目される投資先は多くあります。

  • インド
    人口ボーナスが期待される次なる成長株。ITや製薬がアツい
  • ベトナム
    チャイナ・プラス・ワンの受け皿。製造業で台頭
  • ブラジル、メキシコ
    資源と若い労働力を武器にリバウンドの予感
  • 日本
    意外?PBR改善&インバウンドで国際的には再評価中

ここから分かるのは“米国以外ならどこでも”という名のとおり、資金がひとところに集まっているのではなく、世界中に満遍なく拡がりを見せている点。

これまで米国一辺倒だったポートフォリオに、世界各地の可能性を組み込んでいく…そんな“ポスト米国時代”を見据えた戦略が、今の「ABUSA」ブームの本質なのかもしれません。

 

「ABUSA」に私たち投資家はどう対応すべき?

超・長期ではやはり米国株のパフォーマンスに期待

 

もちろん「ABUSA」を選択する投資家は、米国市場を完全に切り捨てている訳ではありません。

この流れは“アンチ米国”ではなく、“多極化する世界に備えた再配分”であり、あくまで一時的な「トレンド」だからです。

S&P500の長期チャートを眺めても分かる通り、150年以上もの長い間、時には停滞や下落局面に見舞われながらも基本的には右肩上がりに推移していますよね。

今後、ABUSAの流れが本格化するかどうか自体も分からないですし、もし本当にそうなったとしても、一時的な停滞局面は米国株を安く積み立てられるチャンスと考えることもできます。

長期での米国株の成長を信じるのであれば、20年後、30年後を見据えて淡々と積立投資を継続しましょう。

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あくまで私の考えですが、ABUSAトレンドは長くても10年以内(こちらも今後来るとされる“ドル安”トレンドと重なる)と見ています。

その間も長期目線を貫いて停滞局面も耐えられるという人は、今の投資方針を貫けばOK!

 

不安な方は分散投資を検討しよう

一方で、下記のような人は“米国以外”への分散投資を検討するのもアリかもしれません。

①米国株が数年~10年程度低迷し、自分の資産がなかなか増えない状況に耐えられない人
②10年以内に資産を取り崩す予定があり、それまでにある程度の利益を出す必要がある人

ただし先ほども述べたとおり、「ABUSA」トレンドはあくまで一時的なもの。

コアの投資先は米国のままで、資金の一部を他のアセットにサテライト的に振り向ける「コア・サテライト投資」が個人的にはおすすめです。

つまり「ABUSA」へは“念のためちょっと乗っておく”ぐらいのスタンスがちょうど良い

想定される投資先としては、

・“除く米国”の全世界or先進国株式
・インドや中国などの新興国
・ベトナムを始めとするフロンティア・マーケット
・インフレヘッジにもなる金や金鉱株

などさまざま。

ご自身の好みや投資方針に合わせて配分すると良いと思います。

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一部インフルエンサーに影響されて、「もう米国は終わりだ…」と全売却するような極端な行動は絶対に起こさないでくださいね。

 

筆者自身の投資方針はこんな感じ

私自身はどうしているのかというと、元々の方針が「どんな状況下でもある程度の利益を上げられること」。

だから新NISAでは、米国株の長期的な成長は信じつつ、万が一長期停滞局面を迎えても大丈夫なように“米国以外”のアセットにも目を向けたポートフォリオを組んでいます。

これは、あと6~7年で双子の息子たちの学資の取り崩しを予定しており、それまでにある程度の投資成果を出さなければならないから、というのもありますが。

具体的には…

●米国100%のS&P500ではなく米国以外にも投資ができるオルカン
●米国へはインデックスだけでなく高配当(増配)ETFであるSCHDにもベット
(S&P500がもし長期停滞局面に陥っても、配当再投資によって資産を増やせる)
●サテライトでインドなどにも投資

といった感じで、米国一辺倒にはならないように気を付けています。

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20年、30年と続く長期投資においては「ABUSA」トレンドにかかわらず、いろんなアセットに広く分散投資するべき、というスタンスです。

 

 

まとめ

今回は、国際分散投資の新たなトレンド「ABUSA~Anyware but USA(米国以外ならどこでも)~」について紹介しました。

過去10年以上もの間ずっと右肩上がりに成長してきた米国株ですが、今後もこのペースでの成長が続くとは限りません。

むしろこの“米国株バブル”は短期的に停滞局面を迎える可能性の方が高いと私自身は考えています。

事実、機関投資家たちは“米国以外”へ資金をシフトし始めている。

もちろん米国一強時代は今後も続いて「ABUSA」は取り越し苦労に終わるかもしれません。

ですが「何だかんだアメリカは大丈夫!」と過信するのではなく、今はいろんな可能性を考えて行動することが重要です。

関税問題も未だ解決していませんし、地政学リスクも相まって、今の世界は何だか不穏な空気に包まれている…そんな感じがします。

すべての混乱が収まったとき、次にどの国が、どのアセットが台頭してくるのか、ニュートラルな目線で見守っていきたいですね。

今回は以上となります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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